オランダの医療制度の基本
あなたやあなたの家族が病気になった場合(例えばインフルエンザになった場合)、すぐに病院に行くのではなく、まずはホームドクターのところに行って診てもらうことができます。EUでは家の近くにホームドクターが居るのが望ましいです。オランダも同様です。
どのようにホームドクターを選ぶべきか?
オランダで住み始めたら(滞在許可を取得したら)、4ヶ月以内に健康保険に加入しなければなりません。これは国籍に関わらず誰もが行わなければならない義務となっています。
健康保険に加入しただけではオランダの医療制度に参加したことにはなりません。医療保険を受けられるようにするには、ホームドクターの登録をする必要があります。こちらから郵便番号に基づいてホームドクターに関する情報を見つけることができます。
あるいは市役所では市のスポーツ施設、教会、託児所などの情報が記載された小冊子を提供していますが、その中にホームドクターに関する記載もあります。
その他の選択肢としてはご近所さんや友人にお勧めのホームドクターを聞いてみるのも良いかもしれません。
良いホームドクターの情報を入手したら、その次はどうすれば良いか?
まずホームドクターを訪問する必要があります。ホームドクターはあなたの健康履歴の記録を作成する責任があります。何か健康上の問題が発生した場合には、緊急時を除いて基本的にはホームドクターが最初の窓口になります。
ホームドクターの登録をするにはIDと健康保険証を持っていなければなりません。前回の記事で触れたように多くの保険会社がありますので、ホームドクターにその保険会社との契約があるかどうかを確認してください。もしホームドクターがその保険会社と契約を結んでいなければ、別のホームドクターを探す必要があります。
また、すべてのホームドクターがすぐに登録可能なわけではありません。待機リストが長い場合もありますので注意してください。いつ病気になるか分かりませんので、できるだけ早く登録することをお勧めします。
病気になった際の実際の流れは?
病気になったら営業時間中にホームドクターを訪問するか、診察の予約を入れます。一部のホームドクターは、予約なしの訪問を受け付ける時間を設けています。その際は他の患者と座って自分の順番を待ちます。予約がある患者しか診ないホームドクターもいます。秋は予約が混み合うことが多く、診てもらうまでに数日かかる場合もあります。
いくらかかるのか?どのように支払うのか?
支払い方法は3つあります。
1.診察後に自分で支払い、保険会社に申請して後から還付してもらう
2.ホームドクターが請求書を患者に送って、それを患者が保険会社に転送する
3.ホームドクターと保険会社が書類作成をして処理
どの支払い方法になるかはホームドクター次第ですが、3つめが一番便利で、患者は治療に集中できますね。
専門医に診てもらう必要がある場合はどうすれば良いか
基本的にはホームドクターを訪問してからでないと専門医に診てもらうことはできません。ホームドクターに紹介状を書いてもらえば専門医を訪問することはできます。そのほうが保険会社の処理をしやすくなります。
オランダのホームドクターは柔軟性がありますので、どの病院が良いか、どの専門医が良いかなどを提案してもらうことができます。ホームドクターはあなたに何が最善であるかをよく知っています。
緊急時の対応
オランダでは、人命に関わる状況では112番に電話してください。オランダ人の96%が英語を話せますので、英語で状況を説明することができます。
オペレーターが救急車、消防署、警察などに繋いでくれます。繋いでもらったら、あなたがいる場所、何が起こったのか、その状態、あなたの名前、そして必要であればあなたの電話番号も伝えてください。オペレーターの声が聴こえない、または聴力に問題がある場合には、0800 8116に電話し、緊急事態に関するメッセージを入力してください。
ガス漏れ、電気の緊急事態等、緊急電話番号一覧はこちらからご覧になれます。
この記事では、オランダのホームドクターの重要性についてご説明しました。皆様がホームドクターにお会いになるのは最初の登録時だけであることを祈っています!