オランダに住んでいる方で、他のEU諸国に旅行に行く際に海外用プリペイドSIMカードの購入を忘れてしまったことのある方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。プリペイドSIMカードを使わずに、普段使っているSIMのローミングサービスを利用する場合、旅行後に一体いくら請求が来るかドキドキしたことはありませんか?
ローミングによる膨大な課金の心配はもうありません!
今までは、オランダで携帯の契約をされている場合、他のEU諸国で携帯を利用する際にはローミング料金がかかっていました。EUでは10年以上前から高額なローミング料金問題に取り組んできましたが2017年6月15日からEU内のローミング料金が撤廃されました。
EUは28ヶ国で形成されています。ポルトガルからポーランド、スウェーデンからギリシアなど、EU域内であればどこからどこに行っても自国のプロバイダー料金で携帯を利用できます。
この記事ではローミング料金に関するEU内の新しい制限について、いくつか有用な情報を紹介させていただきたいと思います。
長いキャンペーンと一連の段階的なローミング価格引き下げの後、欧州委員会はとうとう長年温めていた構想を導入しました。それは、どのEU加盟国にいても自国にいる時と同じ通話料、同じデータ通信料で通信できるというものです。
EU国籍の人にだけ適用されるのか?
いいえ、この規制はEU域内の携帯プロバイダーと契約しているEU居住者すべてに適用されます。全EU域内において、旅行者やビジネスマンにとって非常に面倒なローミング追加料金から、EU在住のすべての人が解放されます。
ローミング料金撤廃の真の意味は?
ローミング料金撤廃は、EUでは「自宅のようなローミング」と表現されていますが、これは自国以外のEU諸国を旅行中に携帯電話を使用する際に追加ローミング料金を払う必要がないということを意味します。自国以外のEU諸国で携帯や固定電話に電話をかけたり、SMS(テキストメッセージ)を送信したり、データ通信を行なう際などにこの恩恵を受けることができます。EU旅行中も、これらのサービスを利用する際には自国にいる時と全く同じ料金を支払うことになります。
EU加盟国だけがこの恩恵を受けられるのか?
はい、その通りです。しかしいくつかの例外もあります。例えばトルコやスイス、ノルウェーなどの非EU加盟国ではローミング料金がかかります。しかしほとんどの大手プロバイダーは、主要な非EU加盟国を無料パッケージの中に含めています。
住んでいる国とは違う国の一番安い携帯プランに入ることはできるか?
試してみることはできますが、EC(欧州諸共同体)とBEREC(欧州電子通信規制者団体)の間で、彼らが不正を防ぐための規則を定めていることを知っておいてくださいね。
携帯プロバイダーの合理的な利用を意味する「フェアユース」を忘れないようにしましょう。
フェアユースポリシーの一環として、携帯プロバイダーはローミングの使用状況を4ヶ月間にわたって監視して確認することができます。 この期間中、自国よりも海外で多くの時間を費やし、ローミングが自国内での使用を超えた場合は、プロバイダーがあなたに連絡して、あなたの状況を明確にするよう求めます。対応には14日間はかかるでしょう。他国での使用量が自国内での使用量を超えた場合、プロバイダーはローミング消費に追加料金をかけることができます。追加料金(付加価値税を除く)には、以下のように上限が設定されています。
- 音声通話: 3.2 cents/分
- SMS: 1 cent/SMS
- データ通信: €7.70/GB
(2017年)
フェアユースポリシー - 国境を越える労働者
もしあなたが住んでいるところと違う国で働いている場合、あなたはどちらの国の携帯プロバイダーでも選ぶことができます。住んでいる国または仕事をしている国のSIMで、ローミングを意識すること無く移動することができます。
物事がうまくいかない場合 - 消費者の権利
携帯プロバイダーがあなたのローミング利用状況を疑わしく思い、EU内を移動した際にローミング料金が請求された場合は、プロバイダーに連絡してこれらの追加料金に対抗する苦情処理手続きを進めてください。
あなたがプロバイダーの回答に満足しない場合は、あなたの国の規制当局、通常はあなたの国の電気通信規制当局に連絡して、あなたの問題を解決することができます。
これから夏本番です。上記情報を参考にしていただき、ローミング料金を気にせずヨーロッパ旅行を楽しんでくださいね。
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