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オランダの携帯電話・インターネット事情:プランと契約方法を徹底解説(2016年7月26日)

オランダに移住したり、訪れた際、すぐに確保したいのが「連絡手段」です。そこで今回は、オランダの携帯電話・インターネット事情、各種プランと契約方法について(2016年7月現在)、徹底解説します。

・主な携帯電話会社、それぞれの価格帯と違い
・携帯電話の契約方法(KPNの場合)
・プリペイドSIMカードの利用方法
・インターネット契約はテレビと固定電話のセットが主流
・インターネットの契約方法(KPNの場合)
・ポケットWiFiのレンタルについて


主な携帯電話会社、それぞれの価格帯と違い

オランダの主要な携帯電話会社は、KPN、T-mobile、Vodafone、そしてTele2の4社です。各社、契約時に携帯電話を同時購入するプランと、SIMカードのみを購入するプランの2パターンを用意しています。

KPN(https://www.kpn.com/)

特徴:オランダ通信最大手で元国営企業。4G/LTEネットワークの人口カバー率は99%ともっとも高い。

プランのラインナップは、携帯電話を購入する場合と、SIMカードのみを購入する場合のどちらもだいたい同じ。

主にインターネットを利用したい人向け、通話したい人向け、どちらも利用したい人向け、音楽ストリーミングサービス「Spotify」もセットで利用したい人向け、そして、EU圏内、イギリス、アメリカ、カナダでも無制限に通話したい海外出張が多い人向けのプランがあります。

携帯電話を購入の場合、その価格は「iPhone 6s」の1年契約で月額52.50〜139ユーロまで幅広く設定されています。契約時に機種代を支払う必要があり、その金額は419〜499ユーロ。選んだプランによって異なります。機種代は初回に一括で支払うのではなく、月額使用料に本体価格の一部が組み込まれます。SIMカードのみ購入する場合の価格は、月額22.50〜109ユーロとなります。

T-mobile(https://www.t-mobile.nl/)

特徴:最近のネットワークの改善により、通信速度や人口カバー率がKPNに並ぶ勢い。プランが細かく分かれているため、柔軟にカスタマイズ可能。

KPNとの大きな違いは、機種代の支払い回数、必要なデータ通信量、通話・SMSの利用量を自分のライフスタイルと照らしあわせて柔軟に選べることです。

たとえば、同じくiPhone 6sを1年契約した場合、機種代はトータルで679.95ユーロ支払うことになりますが、初回に支払う金額によって月々の負担額を変更でき、一括支払いも可能です。データ通信量は0MBから無制限まで6つのプランから選択可能で、価格は0〜90ユーロ。通話・SMSは0、120分、無制限の3プランで0〜9.5ユーロ。月額使用料の価格帯は13.50〜134.50ユーロです。

SIMカードのみの場合は、EU圏内への通話が可能なタイプと通常の国内のみのタイプがあり、価格帯は8.95ユーロとお手頃なものから109.50ユーロまであります。

Vodafone(https://www.vodafone.nl/)

特徴:国内シェア3位。2G/3GネットワークはT-mobileより良いという噂。

iPhone 6sを1年契約で購入の場合、機種代は636ユーロ。こちらもT-mobile同様、初回の支払額によって月々の負担額を選択でき、一括払いもできます。プランは大きく分けて「Smart」「Red」「Black」の3タイプ。

Smartは通話が150分、SMSが無制限で、データ通信量を2種類から選びます。Redは通話・SMSは無制限で、データ通信量を3種類から選択。そして、Blackは25GBのデータ通信量と通話・SMS無制限の1種類のみ。月額使用料の価格帯は21〜114ユーロです。

SIMカードのみ購入する場合のプランは、通話のみのシンプルなものから、25GBのデータ通信量と無制限の通話が可能なものまで、全部で9種類と豊富です。価格は通常12.50〜90ユーロですが、本記事を執筆している2016年7月現在は、キャンペーン実施中のようで7.50ユーロからのスタートとなっています。

Tele2(https://www.tele2.nl/)

特徴:国内シェア4位。4Gネットワークのみ自社で保有し、その人口カバー率は約73%。2Gと3GネットワークについてはT-mobileと提携。

契約期間は2年のみ。iPhone 6sを2年契約した場合、機種代は672ユーロです。こちらも初回の支払額によって月々の負担額を選択可能で、一括払いもできます。プランは全部で5種類で、データ通信量は1〜24GBまで選択可能。通話・SMSについては、一番低価格なプランのみ通話が最長100分で、残りはすべて無制限。価格は10〜54ユーロです。

SIMカードのみ購入する場合のプランも、上記の携帯電話本体を購入する場合と同様で、価格は10〜35ユーロとなっています。いずれにしても、プランの内容が明確であることがTele2のメリットではないでしょうか。


携帯電話の契約方法(KPNの場合)

今回は、最大手のKPNの場合を例に、携帯電話の契約方法をご紹介します。

まずは最寄りのKPN直営店へ。そこで必要になるのが、以下3点の書類です。

● 身分証明書(パスポートや居住許可のカード、運転免許証など)
● 銀行口座のカード
● 住所を証明するBPR

銀行カードは、口座の引き落としを確認するためで、契約時に0.01ユーロをその場で支払います。また、BPRは日本でいう住民票です。お住まいの市役所で住民登録を済ませたあと、市役所で発行してもらいましょう。発行にはお金がかかります。

契約が完了すると、KPNのホームページにある会員用の「マイページ(MijnKPN)」を利用できるようになります。そこで自分のデータ通信量や通話の利用状況、毎月の請求額などが確認できます。

なお、KPNでは携帯電話と同時にインターネットやテレビも契約した場合、使用できるデータ通信量が増えたり、携帯電話プランの価格が割引になったりする特典もあります。


プリペイドSIMカードの利用方法

ここまでご紹介した大手携帯電話会社はプリペイドSIMカードも販売しています。短期滞在の人や使う分だけ支払いたい人に最適です。

購入は直営店舗やウェブサイトだけでなく、携帯電話ショップ、コンビニエンスストア、スーパーのレジ横などでも可能。購入の際には登録認証など面倒な手続きはありません。自分のスマホ(SIMフリーのもの)に対応するSIMカードを購入して、それを差し込むだけ。SIMカードのロックをスマホの暗証番号で解除すると、すぐに利用可能です。

大手携帯電話会社の他にも、数多くの企業がプリペイドSIMカードを販売しています。ヨーロッパを中心に展開する「Lebara」(http://www.lebara.nl/)や「Lycamobile」(http://www.lycamobile.nl/en/)は格安の国際電話を売りにしています。また、雑貨から衣料、食品まで扱う「HEMA」(http://www.hematelefonie.nl/)や大手スーパーマーケットの「Albert Heijn」(http://www.ah.nl/over-ah/services/mobiel)、ドラッグストアの「Kruidvat」(https://www.kruidvat.nl/kruidvatmobiel)なども取り扱っています。

プリペイドSIMカードの一例として、Lebaraのプランをご紹介します。

LebaraのSIMカードは主に通話・SMSだけのプランと、データ通信・通話・SMSがセットになったプランの2タイプがあります。

通話・SMSのみのプラン「Lebara 10=20」は、5〜50ユーロまでの全部で5種類。これらのプランは、5ユーロ払えば10ユーロ分のクレジットが付いてくるといったように、2倍のクレジットがトップアップできます。

データ通信・通話・SMSがセットになったプラン「3G/4G Data Bundles」は、3Gと4Gネットワークに分類され、3Gではデータ通信量が500MB〜3GBの3種類から選べ、価格は5〜20ユーロ。4Gでは1GBと3GBの2種類で、それぞれ15ユーロと35ユーロとなっています。

Lebaraはスキポール空港でも売っており、店員がセットアップまで行ってくれるので、旅行者にはぴったりではないでしょうか。


インターネット契約はテレビと固定電話のセットが主流

オランダでのインターネット契約は、一般的にテレビと固定電話がセットになった「Alles-in-1(オールインワン)」プランが主流です。プロバイダーもプランもたくさんあるのため、どれを選べば良いか迷ってしまうほど。

そんなときにお勧めなのが、プロバイダーとプランを比較できるサイト。いくつもありますので、少しだけご紹介しておきます。どれも郵便番号と自宅の番号を入力するだけで、その住所で契約可能なプロバイダーを教えてくれます。中には、インターネットの通信速度が一番早いプロバイダーや、同じ地域に住む人たちが契約しているプランの通信速度の平均などを表示してくれるサイトもあります。

● Provider Check https://www.providercheck.nl/
● Aanbieder Check http://www.aanbiedercheck.nl/en/
● BreedebandWinkel.nl https://www.breedbandwinkel.nl/expats

数あるプロバイダーのうち、2大プロバイダーであるZiggoとKPNのAlles-in-1プランをご紹介します。この2社以外にも、先ほどご紹介したT-mobileやVodafone、Tele2に加え、さまざまなプロバイダーがサービスを提供しています。

Ziggo(https://www.ziggo.nl/)

特徴:Alles-in-1プランでは国内最大手。2015年に当時国内シェア2位だったUPC Netherlandsを買収し、現在は約44%のシェアを誇る。噂によると、通信速度は早いが少し不安定なときもあるとか。

ZiggoのAlles-in-1プランは「Start」「Complete」「Max」の3種類。

Startは基本的なパッケージ。通信速度は上りが4Mbps、下りが40Mbps。70チャンネル以上のテレビ番組が視聴でき、月額45.95ユーロ。

Completeの通信速度は上りが15Mbps、下りが150Mbpsで、テレビのチャンネル数はStartと同じです。ただ、始めから見そびれた番組を最初から再生できたり、映画チャンネルが視聴できたりする特典機能があります。月額使用料は59.95ユーロです。

そして、一番高いMaxは月額77.95ユーロです。通信速度は上りが30Mbps、下りが300Mbpsと驚きの速さ。また視聴できる番組数も115チャンネルと豊富です。その他の機能はCompleteと同じです。

KPN(https://www.kpn.com/)

特徴:傘下にあるTelfortやXS4ALLを含めて、国内シェア2位。最近はテレビ部門で特に勢いがあり、順調に契約数を伸ばしている。

KPNもZiggo同様、「Instap」「Standaard」「Premium」の3種類のプランを用意しています。

Instapは月額47.50ユーロのベーシックプランです。通信速度は上りが2Mbps、下りが20Mbps。テレビの番組数は70とZiggoと変わりません。

Standaardは「Spotify Premium」やテレビの録画機能が付いて、月額62.50ユーロ。通信速度は上りが6Mbps、下りが60Mbpsです。

最後のPremiumは月額80ユーロと高額ですが、Standaardにも含まれるSpotify Premiumや録画機能に加えて、映画チャンネルの視聴やインターネットセキュリティ機能の特典が付いてきます。通信速度はStandaardと同じです。


インターネットの契約方法(KPNの場合)

KPNの場合を例に、インターネットの契約方法についてご紹介します。

契約の手順と必要な書類は携帯電話の場合と同じです。異なる点は、エンジニアによる自宅工事が必要であること。契約から工事までの流れは、以下の通りです。

● 契約時に、おおよその工事日程(約2週間後や今月末など)が決まります。
● 工事日が近づいてくると、インターネットのモデムやテレビの専用リモコン、説明書などが入ったパッケージが自宅に届きます。
● 工事の3〜5日前、工事日時確定の連絡がSMSで届きます。
● 工事当日、テレビの接続に必要なPINコードと契約番号がメールで届きます。
● エンジニアが工事に来ます。届いたパッケージとメールで届いたPINコード・契約番号をすぐに出せるようにしておきましょう。
● 工事が終わり、モデム裏に記載されているパスワードを入力すれば、WiFiに接続できます。

プロバイダーの多くは、最初の3カ月や半年間、月額使用料をディスカウントしてくれるキャンペーンを実施しています。キャンペーン対象期間だけ一番特典が付いたプランにしておいて、期間が終了するまでに安いプランへ変更することも可能です。


ポケットWiFiのレンタルについて

外国に短期滞在する場合、インターネットの接続がしばしば問題になります。オランダのカフェやレストランではほとんどの場合、無料でWiFiが利用できます。鉄道の車内(特急電車に当たる「Intercity」のみ)でも、無料のWiFiが利用できるほど。

しかし、「移動中も含め、いつでもどこでもインターネットを利用したい」「家族がそれぞれプリペイドSIMカードを購入するのではなく、一台のポケットWiFiで済ませたい」という方もいると思います。そこで、オランダで借りられるポケットWiFiを2社ご紹介します。

オランダでポケットWiFiをレンタルしている現地企業は少なく、大手携帯電話会社では1年または2年の長期契約をする必要があります。短期滞在者がレンタルできるのは、イギリス拠点の「Tep」、またはフランス拠点の「mywebspot」などがあります。

Tep(https://www.tepwireless.com/)

一日8.95ユーロで通信データ量は無制限です。受け取りは、手数料を支払えばホテルや出発前の自宅(日本でも可)などへのデリバリー、返却は専用封筒に入れて郵便で行うことも可能。ヒースロー空港とパディントン駅での返却は無料ですので、オランダを訪れた後、ロンドンに立ち寄る予定がある方はそちらを利用してもよいでしょう。

mywebspot(http://my-webspot.com/)

こちらも無制限に使えるポケットWiFiで、一日6.40〜9.9ユーロ。借りる日数によって金額が変わります。手数料を支払えば、欧州圏内のデリバリーが可能。Tepと同じく専用封筒が送られてくるので、返却も郵便でできます。パリにあるmywebspotのオフィスでの受け取り、返却は無料です。

いかがでしたか? オランダの特に携帯電話・インターネットは、本当に選択肢が多くて迷ってしまいますね。そんなときは、ぜひこの記事を参考にしてみてください。オランダ起業サポートでは、これからもさまざまな現地情報をお届けしていく予定です。


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