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オランダで外国人留学生の就労・ビジネス機会が開かれている理由とは?(2016年8月15日)

オランダの大学では、留学生の受け入れ体制が整っています。全授業を英語で行うコースが多数あり、その数はヨーロッパの英語を母国語としない国の中ではもっとも多いと言われています。

そんなオランダの大学にやってくる留学生の数は、英語教育に加えて高教育水準への評判からも年々増加傾向にあり、2014/15年度にはおよそ9万人で、前年度の約7万人を大きく上回っています。

今回は、彼ら外国人留学生の「卒業後のキャリア」に関する興味深い調査結果と、卒業後もオランダに残り活躍してもらおうと活動する団体をご紹介します。外国人にも就労機会が開かれていることが伺えます。

卒業後もオランダに残りキャリアを築く留学生たち

オランダ第3の都市で政治の中心地でもあるハーグに拠点を置く、国際的な高水準の教育の提供とその分野における調査を行う非営利団体「EP-Nuffic」によると、オランダに来た留学生のうち、「卒業後5年経ったあともオランダにとどまり、キャリアを築いている人」の割合は38%でした。

あまりピンとこない数字かもしれませんが、OECD(経済協力開発機構)の調査によると、全世界の平均は25%であることから、その割合が高いことが分かります。

同団体が発表した調査結果は、2008/2009年度に卒業した留学生を対象に、オランダ統計局(CBS)が集めたデータです。約30%の学生が卒業後すぐにオランダを離れてしまいますが、大半の留学生はオランダでのキャリア形成の可能性を感じ、またはさらなる学習・研究のために残っています。

シェンゲン協定の加盟国からの留学生は、オランダの労働市場に自由に参入することが可能で、それ以外の国からの留学生は、卒業後1年間は「Orientation year highly educated persons」として就職活動をすることができます。

2008/2009年度に卒業し、Orientation yearが終了してから1年経過した2011年には、オランダに残っている留学生の数は約半数にまで減少しますが、それから2年が経った2013年ではその減少幅は小さくなり、38%の留学生がオランダでキャリアを築いている結果となっています。

留学生をオランダ労働市場へと導くキャンペーン「MiitN」

これほどまでに卒業後もオランダにとどまる留学生たちが多い背景の一つには、前出の非営利団体 EP-Nufficeが実施する、オランダに外国人の労働者をより受け入れるための活動「Make it in the Netherlands(MiitN)」があります。

MiitNは、留学生がオランダの労働市場に参入しやすい環境を作るだけでなく、オランダを離れた留学生が引き続き同国と関係するビジネスを展開しやすいよう働きかけることを目的としています。

具体的には、以下のような活動が行われています。
オランダ語を身近に感じてもらえるような環境作り
労働市場への参入を容易にするようなイベントの開催
ローカル学生との交流を盛んにし壁を取り払う環境作り
求職・就職時の手続きなどにできるだけ英語を利用
違った特色を持つ各都市それぞれに合った留学生の受け入れ方法の提案

MiitNのWebサイトでは各種プラグラムの内容が紹介されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。

人口が約1700万人と限られるオランダでは、労働人口の確保が課題の一つ。また、ヨーロッパの中でも国際的な国として海外の人びとを惹きつける国作りを行うためにも、このような活動が重要視されているようです。

日本人の主な留学先としては、まだまだアメリカやイギリスなど英語圏が主流ですが、卒業後のキャリア形成までを見据えた留学先として、英語教育が充実し、教育水準が高く、ビジネス支援の手厚いオランダを検討してみてはいかがでしょうか。